「黒色便、タール便」という医学用語があります。
黒色便は、医師国家試験でも出題され、医師であれば誰でも知っているいっても過言ではありません。
下の写真のような真っ黒な便が出で、びっくりすると思います。
真っ黒な便が出る理由は、
赤血球にあるヘモグロビンが、胃酸と化学反応して、暗赤色のヘマチンに変化して、
便から出てくるためです。
分かりやすく説明する時は、
錆びた赤い鉄が胃酸の影響で、砂鉄のような黒い鉄に変化するなどと説明することもあります。
胃や十二指腸からの出血で赤血球と胃酸が反応した変化で、出血がひどければ、緊急事態です。
鉄剤を飲んでいると、同様の変化で黒色便がみられることがあります。
しかし
黒色便の原因として、意外と盲点なのが下の写真のものです。
それは
イカ墨
私ごとですが、
イカ墨とみょうがのパスタを作って食べたら、とても美味しくて
食べすぎてしまいました。
次の日に黒色便が出ました。
便器に筆で書道したのかと思いました。
漆黒とでも言うのでしょうか?
(参考:イカ墨のパスタは下記の動画を参考に作りました。とても美味しかったです。)
調べてみると、イカ墨で黒色便が出るという記載はウェブ上に散見されますね。教科書にはないので、知らない医師も多いかもしれません?
黒色便が認められると、場合によっては緊急事態ですが、患者さんが
イカ墨を食べたかどうかも頭の片隅に置いて診療しようと思いました。
【結論】
イカ墨で黒色便が出ることがある。